発酵食品の話PARTⅠ-味噌作り

27.5.8(金曜日)晴れ、最高温度22度、最低温度14度

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今回のインタビューによって、漬物は必要無いと言った御意見が10件程度寄せられた。110名の中では少数派でしたが、あれっと思ってしまった。
食べる習慣がないから、塩分を控えているから、と言ったご意見であった。
又、味噌については、自分の家でも作っているからは良いとしても、塩分調整をしているから必要無く、甘い味噌を別途購入しているからとの回答も寄せられた。

と言うのも、当農園やむかし野菜グループでは、素材の味や伝統の食文化をかなり重要視しており、「日本古来からの漬物及び発酵食品などの伝統の食文化を守り、復活させたい」との思いがメインコンセプトになっているからです。
その意味では実に残念な結果となりました。

それでも、漬物はやはり人気で、「量が少なすぎる」「二種類以上欲しい」「子供が大好きで私達の口には滅多に入りません」「添加物の塊りである市販の漬物は食べたくありませんが、やはりこの漬物は美味しいです」「作り方を教えて欲しい」
味噌については、「もっと回数を増やして」「もっと頻繁に欲しい」「味噌汁がもったいなく、野菜スティックで少しずつ食べている」など、圧倒的な支持もありました。

市販されている味噌・醤油などの中には、発酵食品かと疑いたくなるようなものまであります。漬物などは、まったくの薬品漬けのものが多く出回っております。
これはやはり安売り要望の顧客に答えるための人工合成品であることが多いようです。
つまりは、手間とリスクと職人の業の塊りとなる発酵食品を避けて、着色料・香料・甘味料などを使って安価に仕上げようと無理やり作るため、どうしても旨みがなく
合成アミノ酸で味付けを行い、塩分を無くして仕上げるために、雑菌が入りやすくなり、腐敗もしますので、多くの保存料を使わざるを得なくなってしまいます。
これは化学肥料や畜糞で作られた野菜は味香りが薄く虫の好物となるため、農薬がセットされなければ野菜生産ができないのとよく似ている。

イメージ 2何をしているのかと言うと大豆の脱穀作業です。
天日乾燥させた大豆をたたき、埃まみれになり
ながら殻から大豆を取り出しているところです。

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とうみで大豆を篩い、ゴミを除去しています。
随分と古風な風景ですね。


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大豆を手作りの竈で蒸している。
蒸すのに5~6時間を要すため、一日に一回転しかしない。その火加減管理に付きっ切りです。
大豆は一昼夜水に浸して柔らかくしておきます
大量の味噌を作るには、この作業を一週間は
毎日し続けねばなりません。
焦がしてしまって失敗することもあります。


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蒸し終わった大豆が輝く
中指で潰れる程度が良い。

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米麹と塩を合わせておき、大豆がやや冷めたら
混ぜ合わせる。


イメージ 7味噌玉を作り、味噌樽に
漬け込む。
表面に塩を振り雑菌の
繁殖を抑える。

7~10ヶ月熟成させて
フレッシュな純正の発酵食品であるお味噌がようやく完成する。




お米は平野さんの自然農米、大豆は当農園のこれも自然農の大豆。
市場に出回っている米や大豆はいくら自然農と言われてもその生産の難しさを知っている私達からすれば、どこまで信用できるか分らないため、むかし野菜グループで作るしかない。
このようにして原料生産から加工までの長い長い時間をかけてようやく皆様へお届けできるという訳です。
味噌作りの行程にかけるコストと労力を考えれば、真に価格が折り合わない。
発酵食品と言うにはどうかなと思われる味噌みたいなものを作っている会社を批判するのは容易いが、安価な味噌を求める消費者が多いことがこのような悪循環に陥る要因なのでしょう。
真に安全で健康な食品を求めたいのであれば、それなりの対価を払わないと可笑しいのではないでしょうか?

→漬物編は次回に続く