美味しい野菜作りとは?-PARTⅡ

25.7.7(日曜日)晴れ時折曇り、最高温度34度、最低温度24度
 
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(野菜の価値評価は?)
 
随分と前になりますが、確か、NHKでの番組で、新潟のコシヒカリの等級について
の番組がありました。
20粒程度のお米を調べて、ある一定の水分含有量及びお米の色を評価の基準
にしておりました。様々に評価のポイントが述べられておりましたが、最後に、
端米の粒数がいくら以下であれば、一等級になる・・・で終わってしまいました。
 
皆様はこれで納得致しますか?私は何これ!と思ってしまいました。
水分の含有量までは理解できますが、お米の色や端米の量で等級が決まるとは、
思っても見なかったことでしたから。
私が期待したのは、糖度やビタミン及びミネラルの含有量、そして食べ比べてみて
美味しさや栄養価が評価の一端を担っていると、思ったから最後までテレビを見て
いたのですが、すっかり肩透かしをくらった感じでした。
 
これらの等級の判断基準はスーパーなどの店頭に並んでいる「みてくれ評価」の
野菜と同じなのです。本当にこれで良いのかと思うのは私だけでしょうか?
 
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好きなように根を伸ばして育った
ごぼうです。
 
もしこのごぼうが店頭に並んだら、
まっすぐに育ったごぼうと比べて
貴方は手に取ってくれるでしょうか
 
ごぼうは砂地でむらなく窒素分が
土に存在する化学肥料であれば、
栄養分を探し回って根が分岐せず
まっすぐなごぼうが育ちます。
 
ごぼうを見ると思い出すのがある大手の有名レストランのシェフとのやり取りです。
こんな風でした。
 
ある時、ジョルジュマルソー(福岡の有名フレンチ)やチューリップスープや東京の
坐来(大分のアンテナショップ和食レストラン)や多くの個人顧客が欲しがるごぼう
を取引間もない有名レストランにも送りました。
荷が届いた直後にそのシェフから連絡が入りました。
「佐藤さん、このごぼうはいつ掘ったのですか?表面にひび割れがあり、形は悪い
一週間前に掘ったようなごぼうを送ってもらっては困ります」と・・・
「味はどうだったのですか?」と聞くと、「味は良いのですが」と回答、それでは何が
悪いのですか?」と聞くと、「こんなごぼうはお客様に出せません」と・・・
 
即、取引は解消致しました。こちらからですが・・
 
あきれて説明するのも面倒になってしまいました。「貴方は一から野菜について
勉強し直したほうがよろしいのでは?」とだけ答えました。
 
ごぼうは時間が経過してくると、中が空洞になったり、表面にひび割れが出来ます。
これこそ完熟の現れです。まっすぐあるいは表面がきれいなうちはまだ成長過程
ごぼうであり、食感は柔らかいのですが、走り旬に過ぎないのです。
そのようになったごぼうは味が深く、空洞の部位に詰め物などをし、調理すると
口の中で蕩けるそれは美味しい料理になります。(草木堆肥の場合ですが)
 
野菜が、スーパーという大量消費(マス流通経路)に乗ることによって、従来農家
と消費者との間に立って説明してくれていた八百屋さん(語り部)が居なくなり、
生産者と消費者の接点がなくなってしまったため、野菜の昔ながらの常識が
今や非常識になってしまいました。寂しいことですね。
そのためか、本当のことは消費者に伝えられず、変な野菜(これこそが真の野菜)
は全て傷物や端野菜として売り場から消えてしまいました。
そのことを貴方はどう思われますか?
 
これからの時代、農人はマーケティングのこと、消費者とのコミュニケーションのこと
野菜の品質のこと、野菜の味を伝えること、料理の方法を考えること、何より、
野菜作りのプロとしての自覚を持ち、堂々と消費者に説明できるだけの品質作りや
販促のことも勉強しなければいけないようになってきた。
 
他方、消費者は自らの健康のこと、子供の健康のこと、口に入れる食品のこと、
何より何が美味しく、栄養価が高く、安全なのかを判断できる賢さを身につけねば
健康に生きていくことも難しい時代になっていくような、そんな気がします。
 
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