4.30.「食の集い」行事予定

29.4.14(金曜日)晴れ、最高温度18度、最低温度9度

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        最後の建物、幼児のためのレストハウス完成が間近

 加工場・製粉棟は完成しており、出荷作業はすでにここに移って、行っている。
植栽が間に合うか心配。全て農園スタッフで行うが、木の移植の時季が過ぎようとしている。
一足先に移植した李の樹には花が咲き、若葉が茂り始めている。

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広い軒下には、収穫した玉葱が吊るされていく。
まだ去年植えた玉葱の1/20の量しか処理されていない。
4.30.にはこの両面の軒下には一杯の玉葱がぶら下がって、皆様をお迎えすることでしょう。

「食の集い行事予定」
4,30(日曜日)午前8時30分  別府ベネフィット発(マイクロ若しくは大型タクシー)
午前9時頃、 マイクロ大分駅着(ご利用の方には後程、集合場所等をご連絡します)
午前9時半頃、大分市野田、農園に着。                   
作業小屋にて受付をお願いいたします。
 
午前9時半~11時 農園見学及び収穫体験開始
順路は、二番の畑→五・六番→九番→三・四番(四ではハーブ摘みも)
標識を見ながら回ります。
収穫した野菜は、軽トラックにて集荷ヤードへ運ぶ。即、野菜整理し、水洗いを経て調理番へ回す。
 
午前11時~ 社長挨拶、即、堆肥作りへ
子供も混じり、堆肥作り。子供さんはタイヤショベルやトラクターに乗ることもできます。
 
→野菜饅頭を食べる
 
午前12時  料理体験(やせうま・だんご汁など)
 二班に分かれる    (竈を使ったご飯炊き・石臼と杵でお餅搗き・炭火焼きなども)
○だんご(やせうま)を捏ねて、伸ばす作業→だんご汁はスタッフだけで、やせうまはみんなと一緒に
(主には女性)
○餅搗き
(主には男性)
→黄な粉と溜まり醤油と味噌を付けてちぎり餅を食べる
→炊き立てのご飯とお漬物、だんご汁・やせうまを食べる
 
13時頃、 本日のメイン料理。ジョルジュマルソーシェフ達による即興料理や焼き野菜や肉
安心院ワインを用意しております。
これ以降は、次々と出来上がってくる農園料理や即興料理、お餅やおやつなどを皆さんで召し上がりながら談笑。スタッフ達もその中に混じる。
 
ハーブティー・コーヒーや紅茶等のドリンク
 
14時~餅搗き二回目→おみやげ分も搗く。みんなで丸める。
 
14時半頃~マルソーによる料理教室(小西独演会)
折角の機会ですから、沢山の料理の紹介を求めてください。シェフ達を困らせるくらい・・・
16時半頃、閉会、お土産を配る
17時解散。マイクロバスを用意しております。大分駅経由別府まで。
 
当日お天気であれば、子供さんたちは山と積んだ草の上で遊んだり、堆肥の上で滑り台も。
必ず着替えのご用意をお願いします。尚、シャワー室もあります。

 
尚、お客様はすでにスタッフも含めて、120名に達している。
子供さんも含めると150名にはなるのではないでしょうか。

今回の集いは、参加される皆様には、疑似農園暮らしを体感して頂きますので、
何かの役割を担ってください。
収穫・整理・だんご作り・餅搗き・竈炊き等々です。

みんなで、楽しい一日が過ごせますように!


4.30.[食の集い」開催

29.3.9(木曜日)晴れ、最高温度13度、最低温度4度

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                  軒下回廊、幅二間の空間

 むかしの農家には必ずと言ってあった軒下空間。
ここでは、収穫した野菜などの整理作業が行われていた。
穀類の陰干し、脱穀作業、玉葱・とうもろこし・にんにくなどの乾燥ヤード、時には、
子供達の遊び場として、使われていたものだ。
そんな良き時代の空間を作りたかった。

今回新築の作業場・加工場では、それに加えて、ここで農産物の漬物・味噌作り・調理体験など、学んでいる若いお母さん達の姿が、今から目に浮かぶ。
むかしみんなが健康であった時代は質素ではあったが、食の世界は今よりずっと
豊かであった。
お母さんが子供のおやつに、小麦やとうもろこしの粉を練って湯がいたり、蒸したり、焼いたり、大豆を蒸かしたり、煎って黄な粉にしたりしている風景が再現できたら、と思う。少し贅沢に、薪をくべて竈で炊き込みご飯を炊いたり、釜でナンを焼いたり、
様々にその風景が浮かぶ。

家族で畑から収穫した野菜を調理して食べる。そんな空間が再現出来たら・・
自然循環農業の学び舎を目指している。
ここでは、真ん丸な目をしてなんにでも興味を持つ子供達の無邪気に笑う声がしている。

そんな思いを抱いてこの施設を建設した。

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                加工場に隣接する堆肥場

「食の集い」今年4.30(日曜日)に開催

1.場所、 大分市野田
2.日時、 4月30日(日曜日) 午前10時~午後4時頃まで
3.主催、 むかし野菜の邑とジョルジュ・マルソーの共同開催
4.会費、 大人一人4,500円、同伴される子供さんは無料。
5.行事、 午前10時~農園見学会・草木堆肥作りなど。
       12時頃~ 石臼と杵でお餅搗き、農園の黄な粉などで頂く。
       12時頃~ ジョルジュ・マルソーのシェフ及び一番弟子による即興料理

※ジュルジュ・マルソー(福岡のフレンチ、赤坂に約100坪のお店を持つ)
 当農園とのお付き合いは10年以上、その野菜の80%以上がむかし野菜。
 永年、マルソーのお客様に愛され続けてきました。
 現在、週一回運行のJR九州七つ星(観光列車)のメインシェフを務めております。

フレンチにこだわらず、むかし野菜の調理のポイント・比較的簡単なソース作りなどを
皆様の目の前で行います。何が飛び出すかは、私にも分かりません。
こんな機会は滅多にありませんので、少しでも学んで(盗んで)頂ければと農園主がたっての要望を致しました。どうか、楽しんでください。

農園料理としては、自家製味噌や漬物及び自然農の小麦や野菜を使った農園料理をご提供いたしますので、お腹を空かしておいでください。
予定しておりますのは、竈を使った炊き込みご飯・野菜万頭・具だくさんの味噌汁・
漬物・焼き野菜などなどです。
お餅は、杵で搗きますので、体力に余裕のある方はどうぞ!

(交通手段や宿泊)
当日、自家用車でお見えになられる方は、駐車場も用意しております。
大分駅に、9時半・11時・12時に送迎バスを用意しております。(帰りも・・)
宿泊は、4.29~4.30の両日、予約可能な施設をご用意しております。
別府のベネフィットフォーユー(保養施設)などをご用意。

※この宿泊施設は、源泉かけ流しで、高級保養施設ですが、16,500円にて協賛し
 て頂いております。遠方の方はこの機会に九州旅行を御企画されては如何でしょう
 か?

施設にも限りがございますので、事前のお申し込みをお待ちしております。

お申込みやお問い合わせは、以下の通り。
・このホームページのメール欄へアクセス
・FAX 097-583-3620
携帯電話 080-2725-9092


未来へつなげる食の集いへのご招待!

29.2.5(日曜日)雨後曇り、最高温度13度、最低温度6度

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                   建設中の加工場施設

 約330坪の土地にコの字形に3棟の施設が建つ。
メイン棟は加工場・保冷庫・出荷場(周囲を幅約二間の軒先)、を中心に、
製粉棟(製粉・竈・麹部屋)、レストハウス(乳幼児を含めた子供さん達の休憩室)
を備えております。
二棟が2月末、レストハウスは4月初旬頃完成です。

完成式典などの替わりに、お披露目を兼ねて、「食の集い」を開催致します。

1.場所、 大分市野田
2.日時、 4月30日(日曜日) 午前10時~午後4時頃まで
3.主催、 むかし野菜の邑とジョルジュ・マルソーの共同開催
4.会費、 大人一人4,500円、同伴される子供さんは無料。
5.行事、 午前10時~農園見学会・草木堆肥作りなど。
       12時頃~ 石臼と杵でお餅搗き、農園の黄な粉などで頂く。
       12時頃~ ジョルジュ・マルソーのシェフ及び一番弟子による即興料理

※ジュルジュ・マルソー(福岡のフレンチ、赤坂に約100坪のお店を持つ)
 当農園とのお付き合いは10年以上、その野菜の80%以上がむかし野菜。
 永年、マルソーのお客様に愛され続けてきました。
 現在、週一回運行のJR九州七つ星(観光列車)のメインシェフを務めております。

フレンチにこだわらず、むかし野菜の調理のポイント・比較的簡単なソース作りなどを
皆様の目の前で行います。何が飛び出すかは、私にも分かりません。
こんな機会は滅多にありませんので、少しでも学んで(盗んで)頂ければと農園主がたっての要望を致しました。どうか、楽しんでください。

農園料理としては、自家製味噌や漬物及び自然農の小麦や野菜を使った農園料理をご提供いたしますので、お腹を空かしておいでください。
予定しておりますのは、竈を使った炊き込みご飯・野菜万頭・具だくさんの味噌汁・
漬物・焼き野菜などなどです。
お餅は、杵で搗きますので、体力に余裕のある方はどうぞ!

(交通手段や宿泊)
当日、自家用車でお見えになられる方は、駐車場も用意しております。
大分駅に、9時半・11時・12時に送迎バスを用意しております。(帰りも・・)
宿泊は、4.29~4.30の両日、予約可能な施設をご用意しております。
別府のベネフィットフォーユー(保養施設)などをご用意。

※この宿泊施設は、源泉かけ流しで、高級保養施設ですが、16,500円にて協賛し
 て頂いております。遠方の方はこの機会に九州旅行を御企画されては如何でしょう
 か?

施設にも限りがございますので、事前のお申し込みをお待ちしております。

お申込みやお問い合わせは、以下の通り。
・このホームページのメール欄へアクセス
・FAX 097-583-3620
携帯電話 080-2725-9092

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   赤身の杉の香は良いですね。梁や柱ができるだけ見えるようにしております。

日本の農業の未来は?-グループ営農の新たな形への挑戦

28.3.27(日曜日)晴れ、最高温度13度、最低温度4度

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               道端に咲き誇る菜の花街道

今春、研修生三人は、新規就農者として独立へ向かって一歩を踏み出す。

四年目を迎える竹内祐輔さんは、佐藤自然農園の後継者として、むかし野菜の
メイン野菜作りを守り続け、さらなる規模拡大と新たな研修生を育てるという責務を負うことになる。
(株)むかし野菜の邑の野菜部門の生産出荷計画を立て、グループへ参加している農人達の作付目標及び生産計画も含めて、指針を出さねばならない。
個性のある生産者を纏めていくことにもなる。皆の生計が掛かっており、グループ内の圃場(およそ6ヘクタールの面積となる)を全て把握しておくことが必要となる
事業立案など経験もしたことがないだけに、現在財務の勉強中であり、苦労することになるだろう。皆の調整役を果たすには一皮も二皮も脱皮しないといけない。

三年目を迎えた後藤堅太郎さんは、自らの農地確保と拡大を徐々に目指しながら
主に情報戦略・広報・販売促進・マーケティング戦略・市場開拓などのコミュニケーション部門を担当することになる。むかし野菜の称号を得るには、最低三年間の土作りが必要とされ、その間、彼も生計を立てねばならない。
マーケットの価値観や消費志向はあいまいな有機野菜から離れ始めており、自然志向が強くなっている。但し、この定義が実にあいまいであり、俗にいう自然農なるものが消費者が考えているほど確立した定義でもなく、市場では概念のみが先行している状況にあり、実態が追いついていっていない。
消費者へ理解してもらうことにかなり苦労していくことになるだろう。
もっと人の機微や心理を勉強し、潜在的マーケットの変化を敏感に感じ取るには
かなりの勉強と努力と苦労が必要となる。

二年目を迎えた南次郎さんは、元々、鶏が好きで、養鶏事業をやりたいということで仲間に加わった個性派だけに、かなり自我が強い。
むかし野菜グループでは加工品の部門を担当することにしている。
人と組むことより自分一人で考え工夫していくことに向いており、この部門を担当させることにした。味噌作りから黄な粉作り、麹作りなどに成果を上げつつある。
養鶏をやるからには、むかし野菜と同じように今までだれも果たしていない質を追求していくことにさせたい。
平飼いと言っても、例えば梨園全てを鶏の運動場や餌場に変えていったり、
自家製飼料と言っても、グループ内みんなで自然農の穀類を作り、野菜くずや
穀類の糟を全て飼料とする(発酵させて餌とする)
ついでに卵だけではなく、完全なる自然農で生産された鶏肉や鶏ガラも同時に
商品化していくことになる。つまりは、ノンケミカルの鶏肉と卵を生産する。
問題なのはそれを実現させるには、最低でも二年間の実験期間が必要であり
軌道に乗せるまでには3年以上を要する。同時にむかし野菜の邑グループ全員の穀類生産に頼らないとそれも実現できない。

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             昨年11~12月に種を蒔いた小麦畑

佐藤自然農園・後藤さん・南さんの圃場を合わせておよそ3反の小麦畑となる。
先ず手始めに、中力粉(地粉)から始めた。
雑草を刈り取り、火をかけ焼き払い、耕耘し、草木堆肥と灰・牡蠣殻などを撒き、
耕耘し畝立て、種を蒔く。麦踏みを子供たちも動員して全員で行う。
そして、3月の下旬、しっかりと大地に根を下ろし、分岐し、鬱蒼と繁っている。
後は除草作業を二度ほどすれば、5月下旬頃に採り入れとなる。
当然に除草剤は使っていないから、除草手間がかなりかかるかもしれない。

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去年収穫した大豆は一回だけ240余名の個人顧客に少量お届けし、レシピを付けて煮豆調理を促し、おそらくは初めて豆を煮る方も多かっとは思うが、概ね、好評だった(?)と勝手に思っている。
二回目はお餅と一緒に黄な粉にして皆様にお届けした。
この方は、実に好評であったようだ。浅く煎り、大豆粉の香りがすると多くのメールが届いた。

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大豆は約300キロほど採れた。その大半は蒸してお味噌に変わっている。
今年は約400キロほどの味噌ができる予定。
240名全員に300g配っても5回は送れると考えている。

課題はトウモロコシの方で、完全自然農を考えていたが、二か年失敗し続け、先人たちにお聞きすると、芯食い虫は必ず発生し、防ぐには若干農薬を使用しないと
無理と、ダメ出しを喰らってしまった。勿論、収穫時に農薬を使うわけではない。
大豆粉・小麦粉・とうもろこし粉が揃うには年末まで待たねばならない。
それから一気に自然農の穀類を使った加工品の試作が始まる。

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     昨日、急に山に登りたくなって昼過ぎから一人久住の山に向かった。
     冷気が心地よく、やさしく心に沁みてきた。


彼ら三人には、それぞれの事業計画を立てるように指示している。
三人は創業者の苦労を全く経験していない。特に農業を一から始めて生活が成り立つまでには元手や経験の無い彼らにとっては不可能に近い。
特にこの自然循環農法では、土つくりに三年以上を要し、生活が成り立たない。
その間は、当農園において、むかし野菜の邑において生計を維持し続けねばならない。
さらに一人農業は限りなく彼らにとって地獄となりかねない。
グループ営農の必要性を体で頭で感じ取っていく数年間になることだろう。

むかし野菜の邑の卒業生達には、所有権を許していないが占有権は持たせたい。
所有権とは絶対支配であり、自分勝手に、思い通りに事が進めることであり、
資本主義の世界では当たり前の概念となる。
ここに日本の農業がダメになっていく理由がある。
農業はきつい労働を耐え忍ぶことになり、単価の安い農産物では世間並みの生活さえ容易に達成できない。そして未来がない。
地域では先祖伝来の農地を子々孫々に伝えていくことが昔は当たり前ではあったが、豊かになった日本では、そんな苦労をすることを農家の子に強いることができない。
未来に夢が持てない地域農業はこのようにして、圧倒的な後継者不足に押しつぶされようとしている。つまりは農地の所有権を誇示してもだれも見向きもしない時代となってしまっている。
これを未来へ繋いでいくためには、一人農業よりもグループ営農が良く、所有権よりも委託された占有権が良い。農産物も量から質へ向かおうとしている。
(未だに国は量しか言わないが)
彼ら三人が先駆けとなって、新たなる形のグループ営農へ取り組んでいって欲しいと願う。
そこでは徹底的に質を追求し、結いの精神である共同作業と分配の考え方を育ててほしいと願ってやまない。そのためには消費者達との価値観共有化と仲間たちと言った思いを持ち続けていって欲しいと願うしかない。
この形が私が二十数年間考え抜いた結論でもある。ミニマムではあるが、ようやく実現可能な試みに近づいているかもしれない。
後は、如何に個人の欲をある程度制御できるだけの仕組み作りが残っている。

日本の農業の未来への挑戦ーその始まり

27.12.31(大晦日)曇り、最高温度9度、最低温度1度

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                ようやく農園は冬の色に染まった

今年、むかし野菜グループの基幹基地建設(アンテナショップ)に向けた準備が始まった。
銀行を54歳で中途退職し、佐藤自然農園を開いてから13年、農業を通した地域活性化の構想を練り、有機農業の小さな実験農園を手掛けてから23年が経過した。一人で始めた(草木堆肥を使った)自然循環農法への参加者は、今では、
スタッフも含めて14人に達している。その半数は30~40代と比較的若い。
お客様(ここでは仲間達としている)もレストランを含めると北海道から石垣島まで
全国で250名に膨らんでいる。

その間にこちらも齢を重ねているが、地域の農業者は益々高齢化が進み、ほとんどの地域の農業者の平均年齢は70歳を越えようとしている。
それもいずこも後継者がおらず、専業の農業者も極端に減少しており、里全体に
荒廃した農地が広がる風景が目前に迫っている。
欧州のように農業保護=国土保全の意識が乏しい日本では、まるで昭和初期の
財閥と軍が結び、農業軽視、経済優先の政策が復活したかのようで妖しい空気に包まれ始めている。
国は、霞が関官僚を中心に、国力(経済)浮揚策として、大企業優遇の政策を基本として、農業切り捨て、地域切り捨ての政策を進めている。
上から水が落ちるように、大企業が儲けたお金が下に流れていくなど、ありえない
理論を押し付けてくる。
その結果、都市部では、低所得層が急増しており、格差が助長し、全体として消費者の購買力が減退し、内需は縮んでいる。
現在の社会・経済はかってのように長大重工業産業の育成が必ずしも国力のアップには繋がっていかない時代である。時代錯誤も甚だしい政策を取り続けている。

今思えば、20数年前、このような状況を予感しており、そのアンチテーゼとして、
この時代、農業を通じて地域活性化を模索しようとしていたのかもしれない。
「高品質の有機農産物を中核とした生産加工と観光産業育成が地域復活に繋がるのでは」との思いが農園主をこの世界に導いたと言えなくもない。

このむかし野菜の加工所・直売所建設は出発点に過ぎない。
先ずは、「価値観を共有する生産者と消費者のグループを作る」ことから始める。
その入り口は作ってきた。
次には、加工所を中心とした生産加工基地建設により、消費者にその価値観を伝えるためのアンテナショップ化(コミュニケーション基地化)を進める。
三年後には、懸案であった平飼い・有精卵・自然農の自家製飼料を使った養鶏事業を起こす。これは新たに参加してきた若者が養鶏をしたいとの要望と見事につながったことによるが・・
五年後には、自然農による穀類生産により純粋な無添加発酵食品(味噌・漬物等)
の本格的な醸造所・保管熟成倉庫を建設する。
そこでは、飲食機能を持たせ、体感農園・乳幼児の遊び場も設けて、体感観光農園化を進める。

この挑戦は、時間との戦いとなることは以前より分かっている。
一つは、農園主の歳であり、一つは、地域の荒廃加速化であり、一つは、後継者育成に時間がかかることであり、土作りに3年以上を要することである。

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発芽したばかりの小麦
今年は暖冬で雨が多く、土作りが
進まず、種蒔きが随分と遅れ、未だに
半分も蒔けていない。

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新規借入農地はほとんどが田圃であり、
粘着性の高い泥が堆積しており、
土作りに手間と長い時間を要する。

自然循環農法による野菜作りは一応の手ごたえは得られた。
次は加工品の原料となる穀類生産であり、こちらのほうは、除草剤・化学肥料などを使わない自然農となると、かなりの経験と実践を重ねていかねばならない。


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大豆を引き、軽トラに積み込み、
圃場から持ち出す。

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手作業で脱穀をする。およそ4反の大豆は
かなりなの量となる。

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脱穀しても殻が多く混じり、
これを除かねば篩にかけられない
手で揉み、殻と実を分離する。

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少しずつ篩にかけて、さらに殻やごみを除く


イメージ 8大豆の目視による選別作業

年によって異なるが、発育の悪い年は腐りや未熟豆・黴の発生が多く、
一粒ずつ選別していかねばならない。
また、自然農となると、土に窒素分が乏しいだけに、均一な大きさには絶対にならない。

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ようやくほぼ選別を
終えた大豆。
今年は約500キロの
大豆が何とかできた。
天候不順な中では
健闘したほうか・・

味噌・黄な粉の原料
の他には、消費者の
元へ届けられる。
大豆の煮方については、レシピを添えて
届ける。


当グループが野菜の他に穀類(お米・大豆・小麦・とうもろこし・その他雑穀)生産を推し進めているには理由があり、地域活性化へ向けた戦略がある。

現在圃場の多くが水田(田圃)であり、水田には永年、米作を続けてきたために、底に泥が溜まり、水持ちが良すぎて通気性が悪く、畑作には不向きである。
湿田ではお米が適し、乾田では畑作転換が可能となり、この乾田を利用して、穀類
生産にチャレンジしようとしている。
乾田でも草木堆肥を5年以上施肥し続けてようやく野菜作りが可能な土壌になる。
その間は穀類生産を行う。

乾田の土作りに5年;
初年度から3年間は穀類生産→加工品や養鶏事業の自家製飼料に使う
4年目から5年目までは野菜生産→漬物及び根物類の圃場となる。
6年以上では本格的な野菜生産→出荷用の野菜作り

この水田活用の回転が進めば、地域の農業者(兼業農家)にも参加を促すことが可能となると考えている。
勿論、そこまでは、農業を志す若者や高校生を受け入れ、この農法や取り組みの後継者として育て続けていかねばならない。
この土作りのサイクルを考えると、また、地域農業の著しい衰退を考えると、時間が無いとため息をつかざるを得ない長大な計画となる。
こうなると、長く続いた国の無為無策の農業政策が恨めしく、腹立たしさを覚える。
しかしながら、千数百年続いてきた日本の農業の歴史や地域の農業用資産は、
全て米作りの歴史でもある。
米作からの大転換は難しく、焦っても仕方がないのかもしれない。

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一時代前までは、地域のどの家でも味噌や
漬物は作っていた。
日本の風土で育った
この乳酸発酵の伝統的な食品は、日本人の健康を守ってきた。

手作りの発酵食品である味噌を2百数十名の
消費者へ届けた処、
その98%の方から大絶賛を受けた。

ある方は、むかしの記憶をたどって、ある方は、小さい時に食べた記憶が蘇り、
ある方は、初めて本当の発酵食品の味噌を食べたと・・・
その90%以上の方から、もっと定期的に欲しいとの要望が届いた。


加工品作りには穀類が不可欠になり、流通市場には自然農の穀類は先ずは無い。消費者は安全で遺伝子組み換えの無い穀類を欲している。
さらには、現在、流通している加工食品に化学物質の含まれていないものはほとんど見当たらない。
これは穀類生産過程で、投下される農薬や除草剤にとどまらず、化学肥料・ホルモン剤だけでもなく、食品製造から流通までのプロセスの中で、投与される保存料・防黴剤・甘味料・着色料・旨味成分・乳化剤・合成アミノ酸などの全ての化学物質も含まれる。正しく、現在の食品では、化学物質に溢れている感がある。

そのため、当農園への問い合わせの中でも畜糞(恐らくは合成飼料などが含まれている)すら、使っていないかの質問が多く、高度アレルギー・アトピー・癌などの疾患に悩んでおられる消費者の多いことが目を引く。

絶対に化学物質が含まれない食品などこの時代には存在しないのだが、それだけに、できるだけ化学物質を排除した農産物生産から加工品作りを行わねばと考えざるを得ない。
その試みはこれから行おうとしているむかし野菜の邑グループの生産から加工までの大きなテーマとなっていく。

→次回は、むかし野菜の邑が取り組もうとしている加工品などについて語ります。

大豆の成長ーゲストハウスの進捗

27.9.5(土曜日)晴れ後曇り、一時雨、最高温度28度、最低温度23度

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とうもろこしは見事に失敗しましたが、こちらは作り慣れた大豆。
但、規模はまったく違う。何しろ、三反強(約1000坪)、サッカーができる広さです。
約一ヵ月半前に、グループ内の田北さん+佐藤自然農園スタッフ6名、総勢7名で
畑を起こし、畝立てをし、種を蒔く、延べ6日間の作業をし、さらにその後、炎天下の中、3日間の除草作業を行い、ようやく無事に花が咲き始めた。
11月下旬頃には収穫期を迎える。

これらは、味噌の原料となり、大豆粉や煎って黄な粉の原料になり、一部は煮豆などになってお客様(仲間達)の食卓に並ぶ。
この畑は11月下旬、麦の種を蒔き、翌年6月には収穫され、8月頃には小麦粉になっている。うまくいけば、ですが・・・

この畑には前作は分からないのですが、少なくとも今年の春頃からは、化学物質は一切入っていない。今後とも緑肥と焼き灰・牡蠣柄で育ててみる。
耕す前から、あまり汚されておらず化学物質や畜糞の匂いはせず、良い土の香りと団粒構造に近い土壌に見えた。先が楽しみな圃場である。

(結の制度の復活)
今後、グループ内で広げていく分野である穀類などの生産や新たな圃場の開墾開発などについては、今回のように「ゆい(結)」の制度を導入していくことにしている。
これは、誰の占有する圃場であっても、責任担当者を決めて、その農人の管理地とはするが、手の必要な作業をグループ内の働き手(例えば自然農園スタッフや今後加わるであろう研修生達)全員でカバーしていくというもの。
これは戦に狩り出されたり、不慮の事故により無くなったり、障害者になることの多かった時代、昔から、村落内で相互扶助が行われていた日本の良き風習であった。
この良き伝統を現在に復活させようとしているのも、むかし野菜グループの基本的理念である。
自然農は特に人の手が必要となる。大規模農業とは異なり、高集約労働となる。
除草剤を使わない・農薬は避ける・化学肥料は使わないとなると、これは全て人力ということになる。最も現在であるから、必要最低限の機械化は必要ではあるが・・
この人の手による作業が果てしなく続き、なおかつ、単価が低い穀類生産やお金を生まない圃場の開墾・開発作業などは、一人、あるいは、その家族だけの負担にしてしまうと、その膨大な作業ゆえに、必ず心が折れてしまう。

(新たな生産拠点の構想原案)

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クラブハウスとしているのは、この農産物加工所は、最初から消費者に解放することも視野に入れているためである。
加工所では、広い厨房があり、漬物・味噌・万頭・ナン類・黄な粉などの製造を行うことが主の目的ではあるが、そこでは別の顔もあり、自然循環農法により生産された農産物等の調理やおやつ作りを学んでもらう研修棟の役割も担う。
その研修の主な目的は、食への不安が覆う現在の日本の中で、健康で美味しく栄養価に富んだ料理やおやつ作りを学んでもらおうと企図していること。
農産物加工所と併行して、そんな市民参加型の施設作りを目指している。

そこでは子育て中のおかあさんたちが集い、当農園のお客様であり、仲間達でもある主婦層の方々がメイン管理者となってもらい、むかし野菜でできた農産物等を使い、加工品を作る。つまりは、むかし野菜の邑の農産物加工品の製造と販売も担ってもらい、同時に、そこに訪れるであろうお客様達に調理やおやつ作りも学んでもらう。その目的もあって、別棟の味噌炊棟には製粉所と合わせて煮炊き専用の竈を設けることにしている。
さらに画面上の洗面所のところには子供達の遊空間を確保している。
子育て世代のお母さんたちが働き、同時に子供の面倒を見る。そんな施設を今後は拡充していくつもりです。(現在は小さいですが)

設計図の右側に広く、用地の余裕があり、そこは体感農園と子供達の遊び場とする予定です。

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施設全体の軒下は、2.7m及び3.6メートルの広さがあり、その軒下には収穫した玉葱・にんにく・とうもろこしなどが自然乾燥され、その下の空間には椅子テーブルが並び、人々が寛ぐ。そんな農家の庭先をイメージしていただきたい。

むかし野菜の小さな小さな邑がそこに出来ていると楽しいでしょうね。

→次回へと続く




自然農の穀類生産

27.8.2 (日曜日)晴れ、最高温度33度、最低温度26度

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              由布市庄内、大豆の圃場の種蒔き

’15年7.20.~延べ3日間、ようやく大豆の種蒔きまで漕ぎ着けた。
その前に8番の畑では約7脊分に大豆の種を蒔く。予備に7番にも白大豆の種を
蒔いている。合計で5反分(5,000㎡)の大豆畑が完成した。
その他には、5~6番の畑に丹波大粒黒大豆の畝が7列出来上がっていた。
こちらは、枝豆→ビーンズ→黒大豆に変わっていく。
今年は7月中旬頃まで長雨が続き、圃場に入れずに、大豆の種蒔き時期が1~2週間遅れることになった。
この後は、当然に除草剤を使用していないので、管理機による畝揚げ兼除草作業
を田北さんにお願いする。それによりどの程度草を抑えられるかが勝負になる。
できるだけ、手作業による除草作業は避けたいところ。何しろ、向こうの人の顔が
判別できない広さですから。

収穫時期は11月中下旬頃から始まり、先ずは大豆を引き、その場での天日乾燥。
自走式の雑穀機を購入し、全員での収穫脱穀作業を行う。
豆のゴミを飛ばし、ようやく12月中旬になって第一次の出荷となる。
およそ、1/5は味噌の原料となり、1/5は煎って黄な粉とする。さらにできるかどうかは技術的にかなり難しいかもしれないが、1/5は大豆粉としたい。
残りが豆そのものの出荷となる。大豆は良質な植物性タンパク質、消費者の家庭で
煮豆等になっていくのだろう。収穫量は今の処、定かではない。

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約1.5反に植えられたとうもろこし。残念ながら、芯喰い虫が発生し、6番の畑の分はほぼ全滅。由布市庄内の分は長雨により着果が遅れ、おそらく前作にて牛糞を撒きすぎていたのだろう。徒長が激しく、花が咲くのもかなり遅れ、虫害と台風で
多くが倒壊し、収量は1/20程度になっている模様。散々な結果とはなった。
とうもろこしは、やはり初期的な予防(花が咲く時季に予防が必要)は不可欠となる。
完全自然農の栽培は寒冷地以外は難しいのかもしれない。

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見渡す範囲には全て水田。
その中、ぽつりと一角に
とうもろこし畑が出現。
しかも歯抜け状態となっている。

来年は初期的に葉面散布の農薬は一回くらいは使わねばならないか、自然の厳しさを改めて
思い知らされる。





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若干残った甲州とうもろこし
実験的に加工にしてみる。
これは天日乾燥で約3カ月は
干さねばならない。



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右は芯い虫が入り未熟実か、虫に食い荒らされた散々な状態のとうもろこし。
失敗は成功の元と言うにはかなりの被害となった。
ポットに種を蒔き、一個一個定植したあの労力はどこにいったのだろう?
来年こそはとの思いを強く持たねば、くじけてしまう。

現在、野菜の圃場は約7反強、雑穀の圃場が7.8反、これにむかし野菜のグループの圃場が、水田7反、野菜が2.5反、さつまいも・南瓜・里芋などが3反強、
かぼす・梨が4反、栗林2反、椎茸2反、合計35.3反、(およそ3.5ヘクタール)
これがむかし野菜グループの持つ圃場。

大豆・麦・とうもろこしなどの雑穀の生産は、緒についたばかり。2~3年で目処を
付けていきたいが、現在課題となってきたのが、自然農のお米。
来年からは、水田の面積を確保していかねば、増えていくお客様のニーズに答えられない。農業老齢化の波はむかし野菜グループにも重く圧し掛かってきそうで、
若者達の習熟度を加速し、新たな若い農人の発掘と育成がすぐ手前に迫ってきている。何とかしなければ・・・
自然循環農法のさらなる確立と研鑽に加え、次の世代へ如何に繋いでいくかが、
問われ始めている。昨日66歳を迎え、やることの多さと体力・気力の衰えが焦りに繋がり、それがさらに重く圧し掛かる。

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去年仕込んでいた手作り
味噌(全て材料は自然農)

約8カ月の未完熟味噌。
最初は麹臭い。

こんな味噌はおそらくみんな
食べたことが無いだろう。

我々は慣れており、むしろ
この熟成していない味噌も
美味しいのだが・・・

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平野さんの納屋に保管して
もらっていた味噌甕。

上に塩を置き、腐敗菌や雑菌が入り込むのを防ぐ。
蓋をして、紙やビニールなどで巻き込んで置く。

いつものことながら、
開封する際には、
どきどきする。