発酵食品ー漬物編

27.5.15(金曜日)曇り後雨、最高温度24度、最低温度17度

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       厳冬期、ハウスの中で高菜の灰汁抜きをしているところ

農園では、開園以来、漬物を作り続けてきた。
大分県宇佐地方で代々伝えてきたのが、瓜の青漬け(粕漬け)。
昔は酒粕が安く手に入り、何処の家でも漬けられて来た粕漬け、曾おばあちゃんから、おばあちゃんへ、その娘から、その孫達へ。各家庭の秘伝の漬け方があったようだ。私の母などは、何樽も漬けて知人親戚に送っていたものだ。
その手間の架かる事はおびただしい。
当農園では、嫁に伝わり、その息子の嫁が農園で育てた青瓜を漬け込んでいる。
例えば、瓜を半割りにして、丹念にわたを抜き、塩漬けにし樽に漬け込む。
その際に重石をするわけだが、重過ぎると瓜がぺらぺらになり、軽すぎたり、重しがずれると酸味が出てしまったり、塩も多すぎると辛すぎるし、少な過ぎると雑菌が入り込み、腐敗してしまう。
粕に漬ける際は、焼酎・粕・砂糖などをそれこそ秘伝の分量で調合し、隙間が出来ないように均等に漬け込む。正しく職人の技と勘と経験が要求され、リスクと手間の塊りとなる。好きな方は、ご夫婦で取り合いの喧嘩になるそうだ。貴方の方が一切れ多かったなど、他愛のないものだが・・・
私などは滅多に口に出来ない。誕生日に赤飯を炊いた際に、嫁のまた嫁から少しばかり分けてもらう。瓜は私が作っているのだが・・・

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次に大分高菜の古漬け。
表紙の写真がその作業の一工程。
作業手順は、収穫した高菜を天日で干し、塩で揉む。
かなりな重労働となる。
しんなりとしてきたら、樽に巻くように漬け込む。隙間が出来ると重石が傾き、それこそ雑菌が入り込む。表面に塩を振り雑菌の防御を施す。
二週間ほど漬け込むと、第一回目の灰汁抜きを行う(写真)バラダに並べて、干して二回目の漬け込みに入る。

塩が少なすぎて腐敗発酵してしまったこともあり、減塩、減塩とマスメディアに踊らされた消費者が騒いでいるため、それならと塩を控えた結果ではあった。

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子供さんが大好きな
大根の甘酢漬け。

塩・酢・砂糖しか使わない
短時間で浸かるように
細かくカットする。
この漬け方を教えてくれと
よくお客様からせがまれる
が、それは無理と言うもの
量が少な過ぎると、この
味が出せないのです。



この他にも、たくあん漬け・大根や茄子・胡瓜の粕漬けなどがある。
但し、目下の悩みは、野菜の出荷を優先しているため、正確には生産量が確保できないため、多くを望めないこと。
畑を広げたいとは思ってみても、当農園の漬物は、草木堆肥歴3年以上でないと
漬物にもしないため、現在の処、漬物の製造は少ない。
それは、当農園の漬物の考え方が素材重視にあるため、美味しい野菜が沢山採れないと漬物には回せないからです。

ここで少しだけ専門的なお話をしておきます。

味噌・漬物などの純粋な無添加発酵食品は、現在ほとんど市場には出回っていない。何故なら、おそらくは、手間隙がかかり、リスクの塊りであり、技や勘や経験の必要な純粋な発酵食品を消費者が理解していないせいだと思われる。
何よりも問題なのは、安くなければ買わないのも消費者の実情でしょう。
そのため、多くの製造会社はそんなリスクと手間と経験の必要な発酵食品作りを
止めてしまった結果が次のような現実を産んだのではないでしょうか。

「現在市場に出回っているものは、ほとんどが、味噌醤油らしくもの、漬物らしきものであることを消費者の方々は知っているのだろうか?」

「発酵とは!」
発酵とは乳酸菌により野菜に含まれる糖質を分解し、乳酸や酢酸を産出すること。
当然に発酵菌や乳酸菌がその主役です。真の発酵食品は酢酸が増えて酸性となり
又、植物性乳酸菌の働きにより腐敗菌などの悪玉菌を抑えてしまいます。
結果として、発酵食品は雑菌や腐敗菌を抑え、保存料は必要ではないのです。
つまり、発酵食品に塩を使うのはそれらの腐敗菌などの雑菌を抑制するためです。

※糖質の多い野菜ほど、美味しい漬物ができるわけですね。

草木堆肥を作っていると最初はそれらの微生物により、草や葉っぱなどの有機物が
分解されて、甘酸っぱい味噌醤油のような芳しい匂いや香りがしてきます。
但し、草木堆肥は好気性発酵と言い、多くの酸素が必要ですが、漬物などは嫌気性
発酵と言い、その代表格の善玉菌が乳酸菌です。
逆に悪玉菌などの雑菌に犯された堆肥は腐敗発酵をするため、どぶのような強烈な悪臭が漂います。これは水分などが多く、嫌気性発酵=腐敗をしているためです。

難しかったでしょうか?

それでは味噌醤油らしきものや漬物らしきものには、一体どのようにして作られており、何が含まれているのでしょうか?

味噌や漬物の命はその旨みですね。
実は「そのらしきもの」の旨みは化学的に作られているのです。
タンパク質を分解するのに、塩酸を使いますと人工的な旨みの基となるアミノ酸が作れます。それだけでは発酵食品の旨みには到底勝てないため、グリセリンクエン酸サッカリンステビアなどの多糖質の甘味料を加えます。
美味しそうな色を出すためには人工の着色料を使います。
それでは腐りやすいために、今度は様々な保存料を加えます。
漬物(らしきもの)などは、人工的な香料の他にそれらの様々なものを加えて添加物液に浸してできるものなのです。

真の発酵食品には真のアミノ酸が旨みを演出し、乳酸菌が人の腸内をきれいに保ってくれます。
減塩などと称して甘い味噌や漬物らしきものを日常的に食していると、人工的に作られた旨みや甘みは、消化器系の働きを弱め、ミネラルやビタミンの吸収を妨げ、
細胞の再生機能を弱め、キレ安くなり、うつ病などの要因にもなります。
ブルガリアではヨーグルトにより、大量の乳酸菌を日常摂取し続けており、
日本では古来から、発酵食品である味噌醤油や漬物を食する習慣があり、大量の乳酸菌を摂取しておりました。

むかし野菜のもう一つの主要なコンセプトはそこにもあります。
日本人に合った、歴史に根付いた食生活を再度見直していただきたいものですね。

発酵食品の話PARTⅠ-味噌作り

27.5.8(金曜日)晴れ、最高温度22度、最低温度14度

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今回のインタビューによって、漬物は必要無いと言った御意見が10件程度寄せられた。110名の中では少数派でしたが、あれっと思ってしまった。
食べる習慣がないから、塩分を控えているから、と言ったご意見であった。
又、味噌については、自分の家でも作っているからは良いとしても、塩分調整をしているから必要無く、甘い味噌を別途購入しているからとの回答も寄せられた。

と言うのも、当農園やむかし野菜グループでは、素材の味や伝統の食文化をかなり重要視しており、「日本古来からの漬物及び発酵食品などの伝統の食文化を守り、復活させたい」との思いがメインコンセプトになっているからです。
その意味では実に残念な結果となりました。

それでも、漬物はやはり人気で、「量が少なすぎる」「二種類以上欲しい」「子供が大好きで私達の口には滅多に入りません」「添加物の塊りである市販の漬物は食べたくありませんが、やはりこの漬物は美味しいです」「作り方を教えて欲しい」
味噌については、「もっと回数を増やして」「もっと頻繁に欲しい」「味噌汁がもったいなく、野菜スティックで少しずつ食べている」など、圧倒的な支持もありました。

市販されている味噌・醤油などの中には、発酵食品かと疑いたくなるようなものまであります。漬物などは、まったくの薬品漬けのものが多く出回っております。
これはやはり安売り要望の顧客に答えるための人工合成品であることが多いようです。
つまりは、手間とリスクと職人の業の塊りとなる発酵食品を避けて、着色料・香料・甘味料などを使って安価に仕上げようと無理やり作るため、どうしても旨みがなく
合成アミノ酸で味付けを行い、塩分を無くして仕上げるために、雑菌が入りやすくなり、腐敗もしますので、多くの保存料を使わざるを得なくなってしまいます。
これは化学肥料や畜糞で作られた野菜は味香りが薄く虫の好物となるため、農薬がセットされなければ野菜生産ができないのとよく似ている。

イメージ 2何をしているのかと言うと大豆の脱穀作業です。
天日乾燥させた大豆をたたき、埃まみれになり
ながら殻から大豆を取り出しているところです。

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とうみで大豆を篩い、ゴミを除去しています。
随分と古風な風景ですね。


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大豆を手作りの竈で蒸している。
蒸すのに5~6時間を要すため、一日に一回転しかしない。その火加減管理に付きっ切りです。
大豆は一昼夜水に浸して柔らかくしておきます
大量の味噌を作るには、この作業を一週間は
毎日し続けねばなりません。
焦がしてしまって失敗することもあります。


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蒸し終わった大豆が輝く
中指で潰れる程度が良い。

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米麹と塩を合わせておき、大豆がやや冷めたら
混ぜ合わせる。


イメージ 7味噌玉を作り、味噌樽に
漬け込む。
表面に塩を振り雑菌の
繁殖を抑える。

7~10ヶ月熟成させて
フレッシュな純正の発酵食品であるお味噌がようやく完成する。




お米は平野さんの自然農米、大豆は当農園のこれも自然農の大豆。
市場に出回っている米や大豆はいくら自然農と言われてもその生産の難しさを知っている私達からすれば、どこまで信用できるか分らないため、むかし野菜グループで作るしかない。
このようにして原料生産から加工までの長い長い時間をかけてようやく皆様へお届けできるという訳です。
味噌作りの行程にかけるコストと労力を考えれば、真に価格が折り合わない。
発酵食品と言うにはどうかなと思われる味噌みたいなものを作っている会社を批判するのは容易いが、安価な味噌を求める消費者が多いことがこのような悪循環に陥る要因なのでしょう。
真に安全で健康な食品を求めたいのであれば、それなりの対価を払わないと可笑しいのではないでしょうか?

→漬物編は次回に続く

自然農の雑穀生産PARTⅡー加工品でのご提供

27.4.18(土曜日)晴れ、最高温度18度、最低温度8度

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伸びやかな田園風景が広がる由布市庄内町

とうもろこし畑となる田んぼの跡地。まるで、とうもろこしの田植え風景のよう。
植え込み作業が、6人で、延々と、昼食を挟んで6時間を要することになった。
粘着力のある旧田んぼのため、土に指が入らず、大きく時間をロスする。
この畑(田んぼ)も5年も草木堆肥を入れ続けると、ふかふかの畑に変わってくる。
無事に美味しく育ってくれ!と祈る。

ここは7~8月にとうもろこしの収穫を終え、11月には麦畑となる予定。
ここの畑から、20m離れた田んぼ跡地(現在は小麦畑)には、7月、大豆が植わる。
佐藤自然農園及びむかし野菜グループとしては、壮大な自然農の雑穀生産の試み
がいよいよ、スタートする。

(自然農雑穀による加工品の提供)
これらのテスト販売の試みについてお聞きしたためか、一体何が送られてくるのだろうと、おっかなびっくりさせたのかもしれません。約30%ほどの方が、積極的には
必要としていないとのご意見ではあった。
加工品の例として挙げたーナン・野菜万頭・堅パンーそれぞれに70%の方が、関心を寄せていただいた。そのいずれかに興味があるとお応えいただいた方は73%で
あった。必要でないと答えられた方も、この試みについては、95%以上の方が
何らかの関心をお持ちのようでした。
自然農の穀類はやはり子育て中の主婦に特に支持されていたようです。

私がイメージする雑穀の加工品とは、以下のような考えです。
①素材感・美味しさ・リーズナブルな価格
②安心・安全で栄養価に富んだおやつや中間食
化学調味料・砂糖などを排し、素材を活かした味のある素朴さ
市販の菓子類(パンも含めて)をちょっと多めに食べ過ぎた際に、何やら、胃の奥に
違和感を感じ、気分が悪くなることもあるようです。
それは満腹感とも少し違うようですが、皆様は如何でしょうか?
これは穀類そのものと、使用されている化学調味料や添加物によるものかもしれないと思うこともあります。

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特に成長期にある子供さん達には、素朴でナチュラルな素材感のあるおやつや
中間食を食べさせたいとの思いがあります。
当農園の行う試みを全面的に支持して頂いた方が、半数以上でしたが(長いお取引の方が多かった)、他の方々も期待感と不戸惑いが半々に伺えるような回答の内容でした。



(提案型のテスト販売、OR 注文方式の販売方法のどちらを選ばれますか?)
この設問は、答えるのに難しかったと思います。実はこちらも随分と迷っているわけですから・・・その戸惑いが伺えるような回答が多かった。

一番多かった回答は「先ずはテスト販売から始めて、注文方式に切り替える」です。
(穀類の販売も含めてですが)先ずは試作した加工品などを食べてみて、その感想や反応を見ながら、さらにテストしていくのが一番良いかな!とは考えております。
これは、ひとえに皆様の信頼がなければとてもできないことです。
故にこちらの迷いも大きいのです。幾ばくかの代金という苦痛を伴うからです。

※但、悩ましいのは一々の注文方式だと双方に手間が懸かり過ぎて「それで良いと
  いう人はお任せ方式のほうが現実的」と言ったご意見も多かった。
  方法は工夫せねばいけませんですね。

お客様(仲間達)の中にはプロ顔負けのアイデアと能力をお持ちの方もおられます。
加工品についてはレシピを添えて先ずはテスティングをしてみたい。
健康や安全にできるだけ配慮しようとするパン屋さんやセミプロの方もこちらの仲間達にはおられます。
同時に、少量の粉類をお送りし、農園のお客様(仲間達)もチャレンジして頂き、
簡単にできるレシピ開発が出来上がっていくのが理想だと考えております。
それを仲間達と共有できるのであれば、楽しいのではないでしょうか・・・

最後に農園としては、共働きやお忙しい方には加工品をお送りしたいとは思っておりますが、できるなら、素材を使って頂きたいと願っております。
「今日はどのブレンドでいってみようかな!」なんての楽しそうに思えますが・・・
「嫌、面倒臭い!」と言われる方もおられるでしょうね・・・

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三種類のえんどう豆

今が花盛りですので、
これから2~3週間後
食べれるようになるでしょう

その後に来るのが
空豆です。

さらにいんげん豆と
繋がっていきます。
春は豆のシーズンでもある



自然農の雑穀生産

27.4.10(金曜日)雨、最高温度13度、最低温度8度

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              とうもろこしの植え付け(6番の畑)

2015年4月9日、いよいよ本格的な雑穀の生産が始まる。
今年、4月は、とうもろこし三種類の植え付けを行う。
生産はハニーバンタム(湯がいて食す甘みある品種)、白餅とうもろこし(日本の在来種)、甲州とうもろこし(在来固定種)の三種類。
白餅と甲州は、湯がいて食べても美味しいが、粉にする目的で生産する。
ある意味では、ブレンドにする中核となる粉。

7~8月頃にとうもろこしの収穫が終わったら、約二ヶ月間休耕し、11月には麦の
生産を行う。
麦は、ご飯に混ぜる大麦、ケーキ・クッキー・うどんなどにする薄力粉となる小麦、
おやつの素材となるやや粘り気のある中力粉、パンの原料となる強力粉の4種類。
ブレンドにするベースの粉。

5~6月に小麦の収穫が終わると、7月始めの頃、大豆の植え付けが始まる。
大豆は、煮豆、味噌の原料、黄な粉の材料、納豆の材料となる。

その他に、お米やもち米の生産も行うが、これらは極く普通に市場には出回っている。但し、自然農となると少なくはなるが・・・

これらを全て除草剤を使わずに生産する。勿論、化学肥料や農薬は使わない。
所謂、自然農の雑穀と言うことになる。手に入り難い貴重品であり、自然食のお店ではかなりな高額商品となる。

①これらを日常的な生活の中に取り入れられないか?
②むかし野菜のようにリーズナブルな価格で提供できたら!
③とうもろこし・小麦・大豆・米などの穀類の粉が自然農で提供できたら!
④それらの粉を各家庭でオリジナルブレンドができたら!
⑤そのブレンドの配合比や料理レシピが提供できたら!
⑥ご飯及びパン食の代わりの中間食やお母さんの手作りのおやつが出来たら!
⑦安全・素材感・素朴さ・栄養価・美味しさ・手軽さ
などなどが、自然農の穀類生産開始の動機であり、出発点です。

これらの思いを実現するには、1~2年間の生産活動からレシピ開発までの長い
実践と実験を繰り返す必要がある。
チャレンジ開始です。

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大豆を蒸す

米麹と塩を混ぜ合わせ



味噌玉を作る

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(第一回インタビューの結果ー穀類編)

1.使かって見たい穀類
小麦粉 50%、大麦 68%、大豆 72%、とうもろこし粉 25%、米粉 39%

大麦は麦飯と言ってお米と麦を混ぜるご飯ですので、極く一般的に分り易い点で
の支持をあつめたと思います。

大豆は黄な粉も含めての質問だったためか、予想を上回る支持を集めました。
日本人はお餅が好きで、特に黄な粉餅は大好きなんですね。
意外だったのは、煮豆の支持が多かったことです。一晩水に晒しての調理ですので
面倒臭くなってしないのではの予想は見事に覆りました。
好きでも安心して購入できる大豆がないことも一つの要因でしょうが・・
(10人前後の方から味噌作りの材料に欲しいとの意見もありました。勿論お分けします)

とうもろこし粉はやはりと言った支持率でした。皆様、コーンスターチは知っていても量の多いとうもろこし粉はどう扱って良いか知らないですよね。当然です。
実はそこに私の狙いがあるのです。
とうもろこしを主食としているのは、メキシコ・中央アジアに多いようです。
ナンやタコスの材料の70%はとうもろこしの粉です。香ばしくて美味しいです。
日本では小麦・大麦、米粉などとブレンドして新たな食材や食べ方の開発(?)が
進めば、きっと体感したことの無い香ばしいお焼きがや包み焼き・パンなどができるでしょうね。それが一番お楽しみです。

米粉は回答を読み説いていくと、もち米の粉も・・との方向性に向かうかもしれませんですね。小麦を食べるな!の本が出ており、その反動で米粉に注目が集まっているように思えてきました。

最後に一番難解だったのが小麦でした。
小麦アレルギーなるものが多いようですが、私の子供の頃は聞いたこともありませんでした。私などは一つ疑問が沸いてくるのですが、このアレルギーとは、まさしく
現在病なんでしょうね。
とすれば、化学物質に囲まれた生活、特にその食生活では、保健所の安全基準や企業のクレーム対策として必ず無菌状態に食品を置いているのが最大の要因なのではないでしょうか?
つまりは、無菌にするには、殺菌剤が先ずは必要です。その上で防腐剤・酸化防止剤・人口甘味料・着色料・安定剤・ホルモン剤などなど、上げたらきりがありません。
何も化学肥料や農薬だけが化学合成物質ではないのです。
それも多くが消費者の要望に添ったからしているとも言えますが・・・如何ですか?

論理が横道に逸れてしまいました。

今日、大分県の振興局に行ってきました。
そこで話題に昇ったのが、小麦の話でした。勿論私が仕掛け人です。
一番暇なのか(?)三人の部長が集まり、(私を含めて4人、私は忙しいのですが)
食に関心の高いお客様たちのご意見として小麦への支持が50%であったことを
話始め、では、どのような小麦が良いのかの議論でした。

その中で、グルテンの多い小麦の作り方・種の選択方法・危険な小麦とはなどの話合いが行われ、ある部長さんが(農業試験場出身)アメリカ小麦はポストハーベスト
の問題もあるが、遺伝子組み換えの小麦があることが実験で判明しているとの興味ある話が聞き取れた。なるほど、小麦を食べるな!の著者は米国の法医学者であったな。と納得できた。
それでは、私がすでに日本にもその種子が上陸しているのでは?と聞いたところ、
「それは絶対にない」と強行に主張された。
やれやれ!これで私の心は少し晴れました。

種子の斡旋まで全て県の農業振興局にやってもらうことで一先ずは決着した。
県に押し付けた形となり、申し訳ないが、日本で開発された薄力粉・中力粉・比較的グルテンの多い中力粉(育て方により強力粉の代用になる)及び大麦の種子が手に入ることになり、むかし野菜の邑での自然農の穀類生産の目処が立った。
まことに有難いことでした。三人の部長さんに感謝感謝でした。

→次回へ続く。

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むかし野菜の邑の農業施設及びレストハウス建設予定地の粗造成が完了した。

味噌作り

26.1.18(土曜日)曇り時折晴間、最高温度8度、最低温度0度
 
(むかし野菜の邑の農産物加工品作り)
 
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昨年ようやく懸案の味噌作りを行った。配送できたのは、ただの一回のみ。
多くの方々から永年にわたり、要望が多かったのが、手作り味噌。
次に多かった、と言うか、安定的な漬物の供給であり、一回に2~3種類の漬物が
欲しい、と言った要望でした。
 
これはお客様方の要望ではないが、正月前後、家の実家ではよく付くのですが、
時折、椎茸の田北さんからお餅を頂く。部落のお祭りなどに供えるお餅です。
美味しくて、スタッフは皆、よくお餅を食べる。
これは日本人は皆お餅が好きではないか、と思い当たり、田北さんにもち米は
沢山あるのかい?と聞いてみると、ストックはしているとのこと。
駄目元で、180余命のお客様方にお餅を作ってくれないか?と聞いてみると、
家族総出で作ってみるとの回答あり!
 
そこから、むかし野菜の邑のお餅が始まった。
 
田舎のほうでは、昔からこのような加工品(漬物・味噌・お餅などなど)は純粋な
発酵食品や無添加のものと相場が決まっている。
そこではアレルギーやアトピーノロウィルスなんどとは無縁の世界。なるほどと
頷ける。
一つにはここでは、沢山の雑菌が棲まっており、良性の発酵菌や悪性の腐敗菌
などもごまんといる。それでも病気を発生しないのは、微生物や放線菌などの
自然淘汰の世界=自然循環機能が作用していて、特定の悪性菌だけがはびこら
ない浄化機能があること。
 
二つ目は化学物質が食品に含まれず、まったくの純正の無添加食品であること。
 
三つ目は、無添加の発酵食品を適度に食する習慣があり、腸内細菌などを含めて、
体内に良性の活性菌が棲んでいることではないかと考えるのは私だけでしょうか。
 
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むかし懐かしい「おくど」さんで
大豆を炊く。
今回は一度に10キロの大豆。
三箇所で薪をくべ、およそ
三時間で炊き上げる。
 
水を足したし、薪を足したし、
新人達もようやく焦がすこと
なく無事に炊き上げた。
付きっ切りの状態、ご苦労さん。
時折、味噌作り総監督の啓子
さんから叱咤激励と監視の目が
光る。
 
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平野農園の自然農の米麹
10キロ。
 
自然農の米と大豆が揃わねば
純正の無農薬・無添加の手作り
発酵食品の代表である味噌は
できない。
 
去年の実験を経て、今年は
ようやく、80キロの味噌が
出来る。
都合4回の味噌作りとなる。
 
 
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ここで佐藤自然農園の自然農
大豆と平野農園の自然農の米
がめでたく合わさり、おそらくは
全国でもほとんどない自然農の
手作り味噌ができる。
よく混ぜ合わせ、玉にして、
味噌甕にぶつけるようにして
(空気を抜く)漬け込む。
 
およそ5~6カ月で熟成する。
あとは平野さんの味噌蔵で
眠る。(横を冷たい小川が流れ
一年中温度と湿度が保たれる)
 
大豆が煮えるのを待っている間に、餅粟入りのお餅を作る。
 
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あまりにも餅粟が少な
くて、啓子さんから
ダメ押しが入る。
そうは言っても、これだけしか粟ができなかっ
たのです。
 
翌日焼いて食べてみ
るとほのかに粟の
香ばしさが口に
香るも、私だけの
自己満足でしょうか?
今年は粟黍を一杯
作ろう!
 
 

「むかし野菜の邑」の農人紹介ー1

26.1.12(日曜日)晴れ時折曇り、最高温度10度、最低温度ー1度
 
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明けましておめでとうございます。
 
このブログでは、今年も催事の他に、新しい農産品・加工品やグループの取組や
圃場などの紹介を不定期ですがさせて頂きます。
 
天原木椎茸の圃場(田北農園)
 
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露地栽培のなめこです。
これは本来は桜の木に相性が良いなばですが、今回はクヌギで試してみたら、
うまく定着してくれました。
まだまだ収量は少なく実験段階ですが、これから徐々に増やしていくそうです。
お楽しみに!
 
これはやや泥臭い匂いがしますが、一度熱湯にくぐらせてから調理します。
一般的には、味噌汁の具材ですが、鍋や吸い物にもお使いください。
 
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由布市庄内地区の山奥に
圃場があります。
数回訪れたのですが、行く
度に道に迷ってしまいます。
 
木漏れ日が落ちる処ですが、
ひんやりとして、冬などは、
氷点下5度にもなります。
その寒暖の差が美味しい
生椎茸を育んでくれます。
 
品種も多く、これは低温で
育つ種類のものです。
 
これ以外にも数箇所に圃場があり、互いに菌が混ざり合わないようにしております
 
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現在はハウス栽培の原木
椎茸が主流です。
(但し、おが屑栽培が低価格椎茸の主流ですよ)
ハウスものは水に浸けたり
ハウス内で湿度や温度を
調整して大量均質な原木
椎茸を生産します。
ここの圃場では、あくまでも
椎茸の発芽や成長は自然
の条件にまかせますので、
木の栄養価を一杯取り込ん
だ美味しく分厚い椎茸が
                                  育ちます。
 
自分が持つクヌギの林から原木を切り出し、一年程度寝かしたホダ木に菌を打ち
込み、このような人里離れた山間に寝かせます。
その作業は中々に重労働で、収穫作業も強制的に発芽育成させるハウスものとは
異なり、少量づつ育つため、広い圃場を回り、収穫作業を行います。
4年に一回、このホダ木は取り替えます。
 
一度、平茸の菌を打ち込んだのですが、椎茸と並んでホダ木を置いたため、椎茸
菌に負けてしまい、一面、椎茸になってしまいました。
 
(焼き椎茸の調理方法)
足を切り落とし、直火で(中火)椎茸の表側によく火を通します。ひだがあるほうが
裏側です。
裏側に水分が浮いてきたら食べ時です、かぼす醤油をふり、そのまま食して下さい。
 
 
大分市野津原の圃場(佐藤雄二農園)
 
大分市編入されたとは言え、人里離れた山間地にあります。
 
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ここには国産にんにくが
主に育っております。
この日はとにかく寒く、
日中でも3度近い気温
のようでした。
 
この圃場は赤土粘土質の
土壌でかちかちに固い
状態でした。
草木堆肥歴5年目となり、
驚くほどに団粒構造の
ほかほかな土壌にと育っ
ておりました。
 
微生物の力は凄いの一言です。ここで育った南瓜に旨みが出てきて、これなら
高級レストランにでも出荷できるね。と伝えた時の彼の顔は今でも忘れません。
 
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寒そうでしょう!
 
玉葱の圃場です。
ここでは佐藤自然農園と
同じく野菜の生産を行って
おります。
 
一人でやっておりますので
多くは望めませんが、それ
でも、さつまいも・里芋・にんにく・玉葱・南瓜・馬鈴薯
主体の農産物です。
 
 
 
最近では、大根・小松菜・蕪・九条葱・サラダセットなどの取組も始めております。
特に南瓜の大半は彼に任せております。
かれが頑張ってくれれば、当農園も少しは楽になります。これが本音ですが・・・
 
以上、むかし野菜の邑の原住民の紹介でした。
今年もよろしくお願いいたします。
 
 

12.15開催の農園セミナー

25.12.16(月曜日)曇り、最高温度10度、最低温度5度
 
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今回のセミナーは畑の会代表のみのはらさんと大分市坂ノ市フェルマータ(パン
屋さん)のグループを中心にして小グループで開催となった。
 
最初は狭間未来館の大調理教室にて行おうと計画していたのですが、大人の
参加者と同数の子供さん達がいらっしゃるということで、いくら広くとも建物の中に
閉じ込められた子供さん達のことを考えると、とてもセミナーの3~4時間はもたな
い。それはもう大変なさわぎになるのは目に見えている。
と言うことで、急遽、農園でのセミナー開催となった。
 
子供さん達は広い農園で放し飼いに・・・
 
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お行儀が悪いですが、足で
ビニールの覆いを押さえて
草木堆肥の説明を行う風景
 
この段階まではいたって静かかな子供さん達・・
神妙にわたしの話に聞き入
っている?
 
この後、7番の畑までぞろぞ
ろと皆で移動。
始めて見る芽キャベツ
セロリの畑、38千本の玉葱
畑、実際に草木堆肥歴12年経過したふかふかの土を触ったり、静かなセミナーの一日が始まる。
 
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草木堆肥の上に恐る恐る近寄る
子供達、先頭に昇ったのはうちの
子供達、いつもこの上で滑り台を
して遊んでいる。おかげで覆いの
ビニールはいつもズタズタ。
 
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ついに本性を発揮し出した子供達、
私の汚れるのは子供の特権という言葉
に親達も諦めて、ただ眺めている。
中には頭から滑り降りる子もいる。
その隙に大人たちの農園研修が始まる。
 
 
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剪定枝と葉っぱをより分け、
この後、枝は後ろに見える
破砕機にかける。
この葉っぱの中に、無限大の
微生物や放線菌が棲んでいる
 
長い間、この堆肥作りをしてい
るとこの腐葉土が実に美味し
そうに見えてくる。心はすでに
微生物になっている!
 
 
 
参加者全員で草を均等に敷き詰め、牛糞を重ね伸ばしさらにその上葉っぱや剪定
の屑を三層に重ね、トラクターで混ぜ合わせ、タイヤショベルでこづみ上げる。
傍らでは、枝を焼き、灰を作る。今日は子供達のための焼き芋用・・
 
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さあー、腹が減ってきた。
楽しみにしてきた農園ランチです。
 
今日のメニューは、
 
野菜たっぷりの豚汁、味噌は自家製の二年味噌、
丸ごと鍋で煮たじゃがいも、
油で揚げた小芋、
焚き火に放り込んださつまいも、
平野さんの自然農の握り飯、
今日のメイン料理は、晩秋野菜の焼き料理
(赤蕪・紅芯大根・黄人参・金時人参・サラダ小蕪・大根・パプリカ・万願寺とうがらし
さつまいも・じゃがいも・露地椎茸・白南瓜などなど)
 
約二時間かけて皆お腹一杯に詰め込んだようだ。
肉っけもほとんどなく、野菜だけでこれだけ満足して頂ける。真に美味しい野菜は
みんなを幸せにしてくれる。スタッフからはやや異論のあった焼き野菜がこれほど
美味しいとは!私などはセミナー後はひたすら野菜を焼き続けて、紅芯大根の
一欠片しか食べていないほどの忙しさ。
一番うれしかったのは、子供さんの食べるものがないな!と心配していたことが
嘘のように、焼き野菜に群がる子供さん達に思わず目を細める。
中には最初から最後まで約二時間、野菜を食べ続けていた子供さんまでいた。
 
未来もまんざら捨てた物でもないか!
 
親御さんの責任は大きい。やはり自分が信じてきた途乗りは遠く険しいが、この道
は決して間違ってはいない、と、改めて思う。このセミナーで何かを掴んで欲しいと
若いスタッフに願わざるを得ない。